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2007/5/22(火)17:13 - おおきえつこ - 157 hit(s)
二銭銅貨
三軒家へ時々杖をついたおばあさんが訪ねて来ました。なぜか僕の事を、お坊よ、お坊よと言って可愛がってくれるやさしいおばあさんでした。目が少し悪くてあんまさんをしているのだそうで、僕がおばあさんのそばへ座り込んだりすると、足をさすったり、もんでくれたりしながら、何かお話をしてくれました。
そして帰る時に「お坊よ、ほらよ」と僕の手の上に二銭銅貨をのせてくれました。その頃の銅貨は五厘、一銭、二銭とあって今の十円玉位の大きさが一銭玉で、二銭玉は今の五百円玉位大きくて厚かったので、めったに見られない珍しい銅貨でした。僕はまだお金を使った事もなく使い方を知りませんでしたが、とても嬉しくてしばらくおもちゃにしていて、しまいにお父さんにあずけました。このおばあさんが来ると必ずといっていい程二銭玉を僕にくれました。
僕のすぐ上の姉さんがこのおばあさんの養女になっていて、その上僕をとてももらいたがったそうです。何も知らない僕は毎年書き初めを届けていましたが、ずっと大きくなってからこの事を知りました。
二年生になったころ、村祭りに行って「あれがおまえの姉さんだぞ」と人がおしえてくれて、びっくりしてその姉さんを見ていました。そしたら姉さんがそばへ来てはずかしそうに「ふん」と言ってお菓子を僕の手に渡して行きました。まだその姉さんは四年生か五年生位でした。
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