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174 re:流域シンポジウム 事例発表のカエルの奇形について 
2007/12/20(木)23:21 - 大木悦子 - 3367 hit(s)

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トウキョウダルマガエルの奇形について
シンポジウム会場討論では、カエルの奇形に関して、人への影響等のご質問がありました。時間の都合で、回答は最後の一言でとの事でしたが、私達は研究機関でもなく、先に五箇さんが関連回答をされたこともあり、私からは福岡県の環境支払い制度やコウノトリ育む農法・全農の生き物調査などのように、農家の方自身の生き物調査や市民自身の生きもの観察などが重要であること、私達は今までトンボなどの益虫・天敵を調べていたが害虫も観たいと話しました。質問された方には、回答と判っていただけなかったかもしれません・・

私達のトウキョウダルマガエル調査内容の概略:目的は分布と移動・生態調査。調査方法は、水田・水路・池(河川敷の池含め)をくまなく歩いて見つけた個体を捕獲し、個体識別をするために、体重・体長を計測、性別、口の周りや背中の模様等を写真記録。その調査過程で、眼や肢の欠損などが見つかりました。東海大学教養学部北野研究室の松村さんが卒論研究としてデータの整理をしてくださっています。

私達の発表したトウキョウダルマガエルの奇形について、明治大学大学院でトウキョウダルマガエルの移動等について調査研究された戸金 大さんからご自身の調査からの知見の提供がありました。(当日はご都合で途中退席され、後日メールをいただきました)
「目の形が異なる個体は奇形といえますが、四肢の無い個体は農業機械による影響とは考えられないでしょうか?
私の調査地でも四肢の欠損した個体がたびたび見つかります。これらの多くが、耕運機などの農業機械によるものだと考えています。
(写真の個体について)奇形ではなく農業機械の影響や病気による指先の皮膚の壊死だと思います。調査中に指切り標識を行った場合も稀に再捕獲時にこのような状況になっている個体が存在しており、また草刈を行った直後は指の欠損も含め傷ついていた個体が多く存在していました。」以上

また、シンポジウム当日のパネリストである国立環境研究所の五箇公一さんに伺ったところ、次の簡潔でわかりやすいお返事をいただきました。

「カエルの奇形については、かつて環境ホルモンの騒動があった際にも 腕が3本生えているカエルなど 様々な個体の写真が話題を呼びましたが、 正直なところ、当方も化学物質の 因果関係に関する情報は持ち合わせておりません。

ただ、化学物質以外にも物理的な破損もあるでしょうし、自然発生によるものもあるかも知れません。通常、そういう奇形個体は、自然界では 生きていけずにすぐに淘汰されてしまうところが 二次的自然である水田では生きながらえて 人の目に触れることもあるのかも知れません。

いずれにしても、疫学的観察だけで 原因を特定することは出来ず、 必然的に室内レベルでの 毒性(催奇形性)試験を行った上で 結論を出さなくてはならない、と考えています。

重要な研究課題でありますし、何か新しい知見がありましたら 是非とも情報交換したく、 今後とも何卒宜しくお願いします」

以上、掲載につきご了承いただきましたことを感謝いたします。


〔ツリー構成〕

No.167 11月23日桂川相模川流域協議会シンポジウム 愛川町文化会館にて  2007/10/15(月)18:26 大木悦子 (2178)
 └ No.171 re:流域シンポジウム ご参加ありがとうございました(報告)  2007/12/9(日)22:38 大木悦子 (2268)
 └ No.173 re:流域シンポジウム 豊かな生きものを育む農法〜尾山耕地の事例発表内容  2007/12/20(木)22:56 大木悦子 (4362)
 └ No.174 re:流域シンポジウム 事例発表のカエルの奇形について  2007/12/20(木)23:21 大木悦子 (2571)

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