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229 re(1):ホタルのための遮光対策への専門家数名のご助言 
2011/9/27(火)15:49 - 大木悦子 - 4639 hit(s)

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愛川町尾山耕地のヘイケボタル生息環境保全対策としての眩光防止網設置案に対して、ご助言を寄せてくださった専門家の皆様に感謝いたします。

●大場信義氏 (大場蛍研究所 神奈川大学総合理学研究所客員教授)
国内では簡易的な対処はありますが、本格的な事例を知りません。アドレスに載っていたものはかなり耐久性があるように見えますので、選択肢のひとつです。(街路灯への)ルーバの設置も効果的です。これらの組み合わせでコストを勘案しながら、試行し、よければ拡張するのがよいかと思います。用地に制約があること故、なかなか理想どうりには行かないかもしれませんが、少しでもこうした負荷を軽減する努力を続けることに大きな意義があると思います。

●日本ホタルの会の役員の方々より数点の意見が寄せられました。以下、主な参考意見です。
○S氏:道路のガードレールを超える車のライトがホタルの交尾行動を阻害しているとのお問い合わせ、有難うございました。ホタルの保全運動は周辺の景観保全にも繋がります。眩光防止網の設置よりもむしろ地域特性種の植栽を行い、ホタルを巡る生態系をさらに充実させ、かつ車のライトも遮断するのが適案かと存じます。ご検討ください。
光害に関するガイドラインについては、環境省から以下のものが出ております。御参考いただければと思います。
http://www.env.go.jp/air/life/light_poll.html
また、周囲に道路照明や強い光源(自動販売機など)がある場合は、ホタル発光飛翔方向へ光を発していないかを確認し、できるだけ小さい光源にする、黄色ナトリウムランプやUVカット型への転換、緑色や暖色系フィルターを付ける、街路灯の高さを低くしてガードレールに埋め込み型にするなどの工夫が考えられます。最善の方法は、ホタルの交尾期間のみ照明を落とす協力を地域にお願いすることだと思います。
○G氏:景観も大切にして欲しく、ガードレールのような対策よりは、低木でもいいので、街路樹がいいのではないかと思いました。
○F氏:ガードレールの眩光防止網は、山梨県の身延、一色川で実際に行っています。6月には、かなり多くのゲンジボタルが発生し、ホタル以上の観光客が訪れます。その時期だけ、ガードレールに眩光防止網を設置していますが、大型観光バスなどは、ヘッドライトがガードレールより上に位置していることや、乗用車のヘッドライトも、ガードレールの下から光がかなり漏れますので、ホタルにとっては、眩光防止網を設置しても何の意味もないというのが私の感想です。(大木:F氏ご助言中の眩光防止網は、ガードレール上部に取り付ける金属製眩光防止網ではなく、農業用寒冷紗をガードレールにかける方法で、ガードレールより上のヘッドライトが多くあり問題と現地でホタル保護活動をされている方に聞きました)

● T氏 (金沢大学 角間の里山メイト)   
 神奈川県愛川町の環境がどのような場所なのか、全く知らないのですが、私の属する「金沢大学 角間の里山メイト」では、7年ぐらいかけて、ホタル、カワニナ、モリアオガエルを増やす事に成功しています。こちらは狭い範囲の棚田で35年ぐらい休耕田だったのですが、人力で、耕し復元しました。毎年40キロ位のもち米の栽培もしています。最初は数匹だったゲンジボタル、ヘイケボタル、今では 1200匹を超えています。その環境を見ると、周りは木々に守られ、植物 動物があふれています。また、最初は一番低い場所だけにいたホタル達が、一枚 又一枚と小さな田んぼや池ができる毎に、その生育範囲も広がっていきました。
なので広い場所なのかしらと思いますが、遮光の為に生きた植物を使う事は無理なのでしょうか?例えば、車のヘッドライトの高さの植栽を育てる事はできませんか?言わば垣根のような発想です。また、ホタル達 生物の住処を誘導する方法はありませんか?水路や池など水資源があれば、カワニナを繁殖させ住まわせる事で少しずつ移動させることは可能です。どんな場所か見もせず勝手な事申し上げてすみません。でも、ホタルやカエル カヤネズミ達は元々多彩な生物に囲まれて生きてきた子達ですから・・・・そんな所が住みやすいのでは・・・と思いました。


〔ツリー構成〕

No.228 ホタル生息環境保全のための遮光対策 2011/8/17(水)16:40 大木悦子 (799)
 └ No.229 re(1):ホタルのための遮光対策への専門家数名のご助言  2011/9/27(火)15:49 大木悦子 (3475)

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