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 8月23日NHKテレビで紹介されました
                       吉川久美子
 
8月8日、NHK「首都圏いきいきワイド」町探検コーナーにて、里山の自然をテーマに、あいかわ自然ネットワークの毎月の観察風景を通して尾山の取材がありました。

 当日は天候にも恵まれ、取材の方々と楽しく観察会が行われました。たくさんの色々な生き物とも出会い、取材の方々も、虫取り網を持ち長靴で走り回る生き生きとした子供達とのやりとりに、目を輝かせ「ああ、自然っていいな〜!」と尾山の里山環境を満喫していらっしゃいました。
 

水が入り草の茂った休耕田には、数え切れないほどのイトアメンボ
  バケツと網を持ちひとりで尾山に来た横浜の中学生

 
 町田横浜自然環境保全レポート その1 寺家ふるさと  吉川久美子
 蛙の声のする田んぼに、古い民家・寺社の鳥居など、ふるさとのほのぼのとした風景をそっくり残している寺家ふるさと村。自然の起伏をそのまま活かした村内は86万?。そのほとんどが山林と水田で形成されています。村内には、体験温室・なし園・炭焼き小屋・陶芸舎・釣堀・ゴルフコースなどがあり、週末ともなると大勢の人でにぎわいます。 四季の家(総合案内所)には、研修室・農産加工室・資料室などがあり、ホールギャラリーでは寺家の自然・農業・文化についての紹介展示がされています。 

 村内でつかまえた生き物は、持ち帰ることができず少々子供達には不満な様子です。また、今年は水田の脇の水路に雑草がたくさん生えているのが少し気になりました。

横浜市青葉区寺家町414 (田園都市線青葉台駅からバス10分・鴨志田団地下車徒歩3分)

水路脇の看板・生物を大切に育て、
夏には蛍を観賞しましょう・・・
ウスバキトンボ


● 川で遊ぼう ・ 8月20日 尾山から中津川へ

 尾山のイトアメンボ(国の絶滅危惧種)調査活動が始まりました      
 9月12日、研究者が助成を受けて行う 「神奈川県で発見されたイトアメンボの生息状況と保護に関する研究」の打ち合わせと1回目の調査がありました。地元市民団体として調査補助を受け持つことになったあいかわ自然ネットワークからは大木が参加。午後は、稲刈り前の水田と休耕田で、イトアメンボの分布の確認やマーキングなどを行いました。来年の12月まで毎月1回(ただし・5〜10月は月2回)、水田の農作業の少ない平日(もしくは休日)に行う予定です。  
 

9月12日 草の間にも・いるいる

背中に黄色くマーキングされたイトアメンボ
 10月3日、稲刈りが始まって、水のない水田での調査。前回とは色を変えてのマーキング。
かなり分布が広がっていました。12mm位で、成虫と同じ色と形の幼虫が多くいました
 
10月3日 高桑さん・苅部さん・藤田さんと市民ネットワーキング相模川の川嶋さん・あいかわ自然ネットワークの菅原さん・大木。そして、総合学習日程が偶然同じだった愛川中学3年女子・4名とにぎやかに調査
私たちは、地元市民活動団体として調査補助活動を担うことになりました、小さい子づれでは難しく、また、ほとんどのメンバーが仕事を持っている現状では、平日の調査に参加できる人数はわずかです。今回のイトアメンボ調査補助活動は、メンバー以外のボランティア参加者を募り、平日でも5〜6人ができる態勢にします。現在、曜日・時間帯等調整をして参加される方は、約10名。 調査補助の作業はイトアメンボの数をかぞえるなどで、すこし根気があればできます。イトアメンボは、体長15mm程のよく動きまわる小さな細い虫。水面をちょこちょこ走り、そのスピードのまま土や草かげを歩き、垂直のコンクリート畔を乗り越え、まるで“忍者”です。
雨天延期が続き、次回は11月27又は28日  現地集合 午前9時半〜午後3時ごろ


●  9月22日 桂川・相模川流域協議会・中津川流域ツアー&ウォッチングを案内
         大木悦子  
中津川の案内を頼まれ、ルートを考える中で、川と暮らしの深いつながりを再認識した。特に、町教育委員会発行「愛川町の近代遺産」掲載の旧水力発電所に興味を持った。
 同行の川嶋さん(市民ネットワーキング相模川)が、会報「相模川通信」に掲載された報告を転載させて頂くが、私の説明不足を少し補足すると、文中、尾山耕地の半分が休耕田とあるのは、歩いた耕地南側の様子であり、減反のためと聞く。湿地である休耕田は、コオイムシ・イトアメンボ・モートンイトトンボ・イモリなどの貴重な生息環境。減反水田の畑への転作奨励を聞くが、そうなると貴重な湿地が失われる。また今まで尾山耕地にコンクリートの農道が整備されなかったのは、町道整備と併設で農道が計画されていた為とのこと。土畔では機械化が進みづらく、草刈作業も必要で、兼業・人手不足の耕作者にはご苦労が多い反面、生き物達には良い環境が保たれたのだろう。

 今年始まる予定の山側農道整備は、専門家の助言が活かされるそうだ。生態系保全型水田整備がこの尾山耕地で先進的に進められるよう願っている。

《 八菅から半原まで-中津川流域を歩く  川嶋庸子(厚木市) 》

 10時に愛川町八菅橋右岸に集合。私が住んでいる鳶尾団地の裏、山ひとつ隔てた反対側、我が家の子たち達が小さい頃よく川遊びをした所である。あの頃は、それ以外には通ることもないへんぴな場所にかかる橋だった。最近、この橋へ厚木側からの道路がつながった。今、下流にある才戸橋の混雑を避けるために、多くの車が通過する橋になった。我が家も相模原に用がある時は、ここをよく利用する。そして将来、その道路が延長、八菅橋から上流の角田大橋へ新しい道路が計画されているのである。確かに車社会にとっては便利な道路、しかしこの地は中津川で自然が残された数少ない場所なのである。

 大木さん(あいかわ自然ネットワーク)の案内で、まず道路建設計画がある尾山耕地まで10分ほど歩く。昨年6月、ここで見つかったイトアメンボに出会えるのか。イトアメンボは体長が15ミリ前後、1960年代の高度成長期を境に姿を消し、九州・関西の一部にはまだいるらしいが、関東地方では絶滅種とされていた。昨年の発見を機に愛川町は町道建設の中止ではなく、計画位置を耕地の真中から中津川沿いに変更する選択をした。1日4000台の通行を予定していると言われるが、どこからそんな数字がはじき出されたのだろう。耕地の半分は休耕田であった。実った稲も台風で倒れているものが多かった。そして足元から飛び立つ多くの雀。昔、村人が力を合わせて耕地にした頃の熱い思いは感じられなかった。 山際の休耕田の一面、水のたまっている所をじーっと見ていると小さなアメンボが飛び交っていた。これがあのイトアメンボか。先日の調査でマーキングしたという黄色い背中のイトアメンボも数匹いた。こんなにあっさりと絶滅危惧種に出会えるなんて。私達が気づかないだけで、多くの生き物が知らない間に生まれ絶えていくんだろうな、そして絶えたと思った生き物がまだまだ数多く残っているんだろうなと思った。

 もちろん中津川の右岸には尾山耕地から先には道がない。そこで八菅橋まで戻って左岸側に渡り、坂をいったん登り、遠くに宮ヶ瀬ダムを見ながら坂を再び降りて左岸堤防へたどりつく。昼食後、上流へ。角田大橋の向こうは海底集落、なぜこんな名前がついたのか、是非調べて欲しいと大木さんに注文。

 田代集落に入り、愛川町でただ1軒残ったという大矢孝酒造に立ち寄り、8代目の若主人に説明を請う。門脇の樹齢400年の欅は歴史の重みを感じさせた。田代運動公園を横切り、馬渡橋を渡り、川向こうの樹林の隙間にチラチラと旧水力発電所を確認する。大正時代に作られ昭和30年代まで動いていたという発電所。440kwの発電量が小さいと閉鎖されたというが、堰もダムも作らず発電し、田代集落の電気をまかなっていたというのだから、なんとエコロジカルな発電所だろう。そして途中、タービン水車跡もあった。こんな小さな発電所や動力をあちこちで利用すれば、あの巨大な宮ヶ瀬ダムはいらなかったのかも。もちろん、この宮ヶ瀬ダムの最大の目的は発電ではないらしい。

 以前、絹の生産地として栄えていた半原に着き繊維会館を見学、半原バスターミナルで解散した。

 半原には横須賀市水道浄水場があり、ここから横須賀まで水道が敷設されており、途中そのためのレンガ造りのトンネルも歩いて通過した。 商船や軍艦のために横浜や横須賀まで遠く相模川の道志や中津川から水を引いたなんて。先見の明があったというのか、先人の偉大さに畏敬の念を持ちながら、100年を過ぎた今、相模川のこのような変貌を彼らは予見していただろうか。
  (紙面の都合で一部割愛)


お礼  ● 本の寄贈ありがとうございました。
海老名市の「カワラノギクを守る会」河又 猛さんより
「タンポポとカワラノギク」 小川 潔 ・ 倉本 宣 著(岩波書店)をいただきました。
 ふたつの生き物の生態と現状を共通の視点から読み解く中で、自然環境保全を考えていくシリーズのひとつです。対談では、種の多様性の重要性をベースにした保全を、市民の対等な参加による活動によって、進めていきたいと語り合われていました。
お知らせ   数本になってしまった中津川のカワラノギク 1999・11・4 (訂正・印刷発行の2000年は誤り)
講演「カワラノギクの生態と、保全について」
講師  明治大学助教授 理学博士 倉本 宣 さん
11月17日(土) 午後2〜5時 (講演・質疑後、現地でカワラノギクの見学)
場所  神奈川県海老名市社家 相模大堰 社家取水管理事務所

キク科の植物カワラノギクは、全国で3河川のみで自生が確認されている、大変貴重な植物です。
直径4cm程の、美しいこの花が、河川環境の変化などで、今絶滅寸前になっております。
この素晴らしい宝を、21世紀に引き継ぐことを願って、カワラノギクの観察と講演会が開催されます。
JR相模線、社家駅〜歩7分  (駐車場は正門でご案内します)
主催「カワラノギクを守る会」 共催・相模川倶楽部 後援・神奈川県自然環境保全センター・海老名市教育委員会
 

 11月17日 8:30〜原臼造林組合の間伐作業 欲しい方、自力持ち出可能・希望長さ切断応
 11月18日 ごみの工夫と生活展 展示参加「家庭で作る生ごみ堆肥」他 主催 愛川町
11月23日 野鳥に発信機を着けて追跡調査する・ラジオテレメトリー野外実習(見学)
講師 佐藤 誠三さん 場所 神奈川県自然環境保全センター(厚木市七沢)
時間 午前10時〜午後4時       
次回定例会 11月18日 ごみの工夫と生活展終了後 午後2時〜4時 中津公民館茶室
◎中津公民館まつりに参加します。展示と体験教室の内容・他について決めます。私達の場所は次の通り
・日程2002年2月24日〜3月3日展示(第1会議室)体験教室(3月2日音楽室3月3日第1会議室)
◎12〜3月の活動・来年度計画について検討 他 ? メンバー外参加大歓迎



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