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2007/1/17(水)22:18 - おおき えつこ - (13711 アクセス)
画文集「三軒家むかし語り〜失われた農村と子供の原風景〜」から
(著者:諏訪部 晃 制作・発行:夢工房)
あとがき
私を育ててくれた昔の高峰村は今、想像も出来ない程変わってしまった。幼い夢をかき立てた銀河の
輝き、万天をうめ尽くした星々、清流に群れていた小魚、澄と透った河鹿の鳴き声、夏の夜に青くまた
たいた蛍、みんなどこへ消えてしまったのだろうか? 近頃多くの動物が絶滅して行く報道を見聞きし
ますが、人間が便利に生きていくためには止むを得ない事なのでしょうか。私はたまらなく悲しく思い
ます。
道はアスファルトで舗装され、急な坂道は山を削り、谷を埋め立ててゆるやかにし、川の底から田の
畔(くろ)までコンクリートで固められて、不便だった昔の生活とは天と地程も違う便利さですが、人間
の幸せは、天と地ほども違った幸せでしょうか。私は幼い頃、自然の中で自由にとび回って遊んだ幸せ
を忘れる事が出来ません。
こうして昔の事を絵に書き留めましたが、人間の幸せとは何か、何が幸せなのか、を考えてもらえた
ら本当にうれしいと思います。
1999年8月 諏訪部 晃
著者紹介(1999年現在)
すわべ あきら
1917年、神奈川県愛甲郡高峰村に生まれる。1932年、高峰尋常高等小学校高等科卒業。
1946年、旺玄会会員となる。1956年、平野威馬雄、横溝正史、高木彬光等の挿し絵を執筆。
結核で6年間入院、右肺全摘出する。1977年、旺玄会復帰、毎年出品。同会で7回受賞。
1981年より厚木市主催芸術講座講師。1999年現在、厚木美術会顧問、絵画教室・三燦会主宰。厚木市民ギャラリーにて隔年毎の個展9回。
*2000年、永眠されました。
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