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2007/1/17(水)22:48 - おおきえつこ - (14466 アクセス)
画文集「三軒家むかし語り〜失われた農村と子供の原風景〜」から
(著者:諏訪部 晃 制作・発行:夢工房)
十五夜 http://aikawasizen.net/cgi-topics/img/22-2.jpg
栗や柿の実が色づき、ススキの穂が風にゆれ、萩や女郎花(おみなえし)の花が咲き乱れる頃、十五夜
がやって来ます。この日どこの家でも畑からさつま芋や里芋をお初に掘って、ススキや女郎花、柿、栗
などと一緒にお月様に供えます。
姉さんが僕をおんぶして、鎌やかごを持ったお友達と一緒に、お月様にお供えする栗をもぎに山へ行
きました。そして一生懸命にもいだ栗がかご一杯になった頃、日が暮れてしまいました。皆大きな声で
歌をうたいながら山をおりて、畑の中の道を帰りました。広い広い畑の向こうの空が紫色に変わって大
きな月がのぼりました。僕は姉さんの背中で大きな月をびっくりして見ていました。月が出て皆うれし
くなったのでしょう、歌声が元気になりました。
不思議なことに、この時うたった歌は、アメリカのフォスターという人が作曲したオールドブラック
ジョーという歌のように思えてなりません。姉さんにおんぶされていた頃ですから、僕は小さくてその
時の歌を覚えているはずがないのに、今でもこのメロディーを聞くと、紫色の空にぽっかりとのぼった
月が目に浮かび、姉さん達の歌声が耳の底から聞こえて来るような気がします。
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└ No.121 画文集「三軒家むかし語り」 十五夜 2007/1/17(水)22:48 おおきえつこ (1142) |
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