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2007/2/4(日)23:00 - おおき えつこ - 12061 hit(s)
杉っ葉拾い http://aikawasizen.net/cgi-topics/img/23-2.jpg
「昨日はすげえ風が吹いたなあ、今日けえったら杉っ葉拾いにいかねえか」「おお、いくべえ、向山へ行くべえか」土曜日、学校の帰り道で友達と誘い合って杉っ葉拾いに行く事にしました。長い竿の先に桑切り鎌をつけたカギッコとそだ鎌を持ち、やせんまを背負って友達と待ち合わせて杉山に行くと、風に吹き落とされた茶色い杉の枯れ葉が地面や草むらの中に沢山散らばっています。それをめいめい一ヵ所に拾い集めます。また杉の木の青黒い葉の繁みの中の高い所に枯れ枝が茶色くなっているのを探し出し、カギッコを枝の根本にひっかけてかき落とします。
そして皆の杉葉が積みあがると「そろそろけえんべえか」「オー、皆けえるべえよう」と呼び合って帰り支度に杉っ葉の束を造ります。篠竹か藤蔓を探して切って来て、篠竹は上手に二つに鎌で裂き、篠と藤蔓とを縄のかわりに使います。「篠がうまく裂けねえよ」と困っていると馴れた友達が「ほら、こうやんだよう」と助けてくれます。
裂いた篠竹か藤蔓を二本四十センチ位の幅に縦にならべ、その上に篠竹や枯れ枝を横に並べた上に拾い集めた杉っ葉を積みあげておさえ込むように裂いた篠竹か藤蔓を両方からしめつけて結ぶと杉っ葉の大きな束が出来ます。それを二束か三束、やせんまにつけて背負います。
「じゃあ行くぞ、しゅっぱあつ」の合図と一緒に荷を背負って立ちあがろうとすると、荷が重くて立ちあがるのにひと苦労です。笑うと力が抜けるので皆笑わせっこをして立てない友達をはやし立てます。楽しい一時です。杉っ葉は太い薪やそだに火を燃し付けるには燃えやすく、とても便利で大事なたきつけでした。
僕も友達もこの頃の子供は一軒の家の中では親や兄弟がお互いに助け合って暮らすものだと思っていて、自分で出来る事は進んで一生懸命やりました。友達が自分のお父さんやお兄さんと一緒に同じ畑仕事をしているのを見たりすると、「えらいなあ、おれにゃあ、とてもかなわねえ」と、とても羨ましく思いました。だから友達に負けないように家の用事は、言いつけられなくても自分から進んでしました。辛い風呂沸かしも杉っ葉拾いも水汲みも、おれはもう一人でなんでも出来るんだぞ、と言う喜びと誇りを心の中にしっかり持つ事が出来るのでした。
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