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2007/3/11(日)01:05 - おおきえつこ - (13211 アクセス)
遊び相手 http://aikawasizen.net/cgi-topics/img/26-2.jpg
だあれも遊び相手のいない僕は、いつも忙しい仕事中のお父さんのそばで遊んでいました。今日はお父さんが、家から遠くはなれた畑に、肥料を積んだ荷物に僕を乗せて出掛けました。畑は広い広い畑の原で、人の姿は見当たりません。僕は買ってもらった蝉凧を持って行き、お父さんに揚げてもらって、糸をつかんで、大空に揚がった凧が鳥のように右へ行ったり、左に行ったりするのを、大声あげて夢中で見ていました。凧がぶうーん、ぶうーんとうなります。でも風が弱まると凧は落ちてしまいました。
お父さんは仕事が忙しくて、そうそう僕と遊んでくれません。僕は仕方なくモグラの穴に棒をつっこんだり、蟻が巣に餌を運ぶのをしゃがみ込んで見つめたり、菜の花に寄って来る蝶々を捕ろうとしたり、桑の木の枝と見まちがうような尺取り虫を手でつっついてみたり、全く僕は自然を相手に遊ぶしかありませんでした。
広い広い畑の原はシーンと静まり返って物音一つしません。ただお父さんが振りおろす鍬のザック、ザック、という音と、時折鍬に小石が当たってカチツという音がするだけです。やがて鍬の音がやんで、お父さんがかますの上に腰をおろして一服です。僕はお父さんの所へとんで行って、背中によりかかったり、肩の上によじ登ったりしてあまえました。
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