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2007/4/16(月)15:04 - おおきえつこ - (13585 アクセス)
水車小屋の夜 http://aikawasizen.net/cgi-topics/img/27-1.jpg
ゴットン、ゴットン、ギギギーッ、ザアーザッザッザアーッという大きな音に目をさますと、真っ暗な部屋に誰もいない。隣りの部屋から家が揺れるような大きな音が響いてきます。ここは自分の家ではない。僕は恐ろしくなって外に飛び出しました。
外は明るい月夜でした。山や田んぼが青い海の底のようにぼうっと霞んで、前の畑に黒く茂った柿のつやつやした葉に、月の光が反射してチカチカ宝石のように光っていました。あ、そうだ、一番上の兄さんにお嫁さんが来たので、今日お父さんと二人で三軒家から引越して来たんだっけと、思い出しました。
そして、こんな知っている人の誰もいない知らない所へ、僕を置いてお父さんは逃げて行ってしまったのかしらと、急に悲しくなって大声で泣き出しました。すると両隣りのおばさん達が出て来て、僕を色々と慰めてくれました。
しばらくすると、家の形に作ってくれた虫籠の中に蛍を沢山捕って、お父さんが帰って来ました。僕は枕もとの闇のなかでピカリ、ピカリと息をするように光る青い美しい光を眺めながら、お父さんと安心して眠りました。
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└ No.138 画文集から 水車小屋の夜 2007/4/16(月)15:04 おおきえつこ (928) |
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